詳 細

黄瀬戸を幅広く解釈すると、灰釉の酸化焼成で黄色帯びた焼物をも含めて言っ ていますが、古来より数奇者(茶人)が追い求めた黄瀬戸は焼物の黄金である、 あやめ手(油揚手)黄瀬戸です。

金属器的な轆轤、減り張りのきいた彫り、黄金色油揚肌、抜けタンパン、鉄の 焦げ、輪トチ跡、底裏の釉焦げなど、これが黄瀬戸の全てです。

どれ一つを取っても高難度な技を要しますが、とりわけ黄金色の油揚肌の中に相互に矛盾するタンパンを緑、鉄錆を赤茶に発色させる事が非常に難し く、全部を兼ね備える事は人為だけでは不可能と思える程の難仕事です。

黄瀬戸が金属器を意識した焼物と言っても、単純に写したものでは無く、硬く て冷たい金属感を焼物で如何に柔らかく、如何に趣を込めた道具に仕立てられ るか、雅に侘びを溶け込ませようと苦労の限りを尽くしています。 以上の全てが桃山文化の美意識で、これらの美意識の総体を持った物が真の黄 瀬戸と言うものです。

単に、黄色灰釉であれば、黄瀬戸などと言うような単純なものでは決して有り ません。 現在、誠に巾の狭いあやめ手黄瀬戸を狙う事は至難の業で不可能に近いものと 思われて居ます。

最近では、桃山文化の黄瀬戸と異なる美意識の基に、作者のオリジナリティー で造られた、黄色灰釉陶器を黄瀬戸と呼んで居ますが、それらは、本来の黄瀬 戸とは文化を全く異にした、次元の異なるキゼトです。

 

戻 る
目 次

 

志 野
織 部
黄瀬戸
瀬戸黒
美濃伊賀
美濃唐津